【2017年】日本の貿易収支の推移をグラフ化(1996年~)

世界情勢のニュースや日本経済について語る際、引き合いに出されることの多い貿易収支ですが、これまでどのように推移してきたのか気になりましたので調べてみました。

貿易収支


今回使用させて頂いたデータは、財務省HPに掲載されている国際収支の推移の「6s-1-4 国際収支総括表【月次】」並びに「6s-1-1 国際収支総括表【暦年】」になります。

※本記事で紹介している数値は、国際収支統計における「貿易収支」であり、「貿易統計」とは異なりますのでご注意ください(両者の違いについては、財務省HPのコチラを参照。ざっくり書くと、建値がFOB価格かCIF価格なのか、また輸出入金額の計上範囲と計上時期がそれぞれ異なります)。


最終更新 2017/03/23
2017年02月分までの数値を入力しました。



まず貿易収支を見る前に、貿易輸出額(日本→海外)と貿易輸入額(海外→日本)の推移をみてみます(※1996年1月からのデータになります。以後同様)。

日本の貿易輸出入額 推移
※2016年10月~12月、2017年01月、02月は速報値

2004年頃までは輸出・輸入ともに横ばいでしたが、それ以降はどちらも右肩上がりに推移しています。主に、グローバリズムの浸透と中国をはじめとする新興国の成長が原因だと考えられます。サブプライムに端を発するリーマンショックでは、輸出・輸入額共に大きく減少しましたが、その後は共に持ち直していることがわかります。

ただ、2011年以降は輸入額に比べ輸出額が伸びていません。これは、これまで日本の輸出品の代表品目であった輸送機器やテレビ等の電子機器が伸びていないためだと考えられます。日本の大手自動車メーカーは現地生産が主流になりましたし、多くの電子機器はコモディティ化が進み国内メーカーは競争力を失ってしまいました。逆に輸入は、原発停止による天然ガスの輸入拡大やiPhoneをはじめとするスマートフォン等のIT機器・医薬品等の輸入が増えたため継続的に増加していました。ただ、2014年中頃以降は、米国でのシェール関連で原油価格が大幅下落した影響で輸入額は大きく減少していることがわかります。



次に貿易収支(貿易輸出額-貿易輸入額)の推移をみてみます。


貿易収支推移
※2016年10月~12月、2017年01月、02月は速報値

貿易収支のグラフを見ると、2011年06月あたりからマイナス(貿易赤字)になっており、東日本大震災以降に貿易赤字の固定化が進んだことがわかります。また、1つ目の輸出額・輸入額のグラフでは、リーマンショックによる輸出・輸入額の大きな落ち込みが顕著に現れていましたが、このグラフでは2008年12月と2009年01月だけ貿易収支が赤字になっているだけで、それ以降は平常運転(貿易黒字)していることが見て取れます(補足:2009年1月は大きな赤字になっているが、元々1月は季節要因で収支がマイナスに振れる傾向があります)。

最近は、原油安の影響で輸入額が大きく抑えられ、輸出も比較的円安に振れた影響も相まってそこそこのレベルにありますので、貿易黒字になる月が多くなってきています。



こちらは、貿易収支の最近3年分の月別のデータになります。

貿易収支 2014年~2017年
※2016年10月~12月、2017年01月、02月は速報値

2014年は1年を通して貿易赤字でしたが、2015年は3月、6月、9月、10月、12月で黒字となりました(ただ、年初の赤字が大きかったため年間では6288億円の赤字)。2016年は、2015年と比較すると収支が月々3000~5000億円改善したため、年間では5兆5793億円(速報値)の貿易黒字となりました。ただ、輸出・輸入額共に減少する中での貿易収支黒字は素直に喜べないところではあります。



最後に年別の貿易収支の推移をみてみます。


貿易収支 年次推移
※年次は暦年(1月~12月)の値です。2016年は速報値

こちらのグラフを見ると、過去継続的に貿易黒字を計上していたことがよくわかります。ちなみに、2011年~2015年の貿易赤字の累計は-24兆4696円ですが、1996年~2010年並びに2016年の貿易黒字の累計は175兆4882億円(速報値)となっていますので、差し引き151兆0186億円(速報値)の貿易黒字になります。


今後も貿易収支については、継続的に推移を見守って行く予定です。
参考記事:【2017年】 日本の旅行収支の推移をグラフ化(1996年01月~)


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【2017年】日本の旅行収支・訪日外国人数推移をグラフ化(1996年~)

2014年04月に月別の旅行収支が約44年ぶりに黒字になり大きく騒がれましたが(詳細はコチラ)、日本の旅行収支はこれまでどのような推移を辿ってきたのでしょうか。データで遡れる1996年からの旅行収支の推移、ならびに最近の訪日旅行者数の推移を調べてみました。

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最終更新 2017/03/09
旅行収支&訪日外国人数の最新データを入力。



データは財務省の国際収支の推移の「6s-2-4 サービス収支【月次】」のデータを使用させて頂きました。ちなみに旅行収支ですが、以下の定義のもとで算出されています。

-----------------------------------
引用

旅行:訪日外国人旅行者・日本人海外旅行者の宿泊費、飲食費等の受取・支払 (財務省 用語の解説より)

旅行: 本邦の居住者(旅行者)が外国を訪問中に享受した財貨・サービスを支払,逆に非居住者が我が国で享受した財貨・サービスを受取に計上。なお,旅客運賃は「輸送」に分類される。 (総務省統計局のコチラのページより)

-----------------------------------

つまり、訪日外国人旅行者が日本国内で消費した宿泊代・飲食代・おみあげ購入代等(受取額)から、日本人旅行者が海外で消費した宿泊代・飲食代・おみあげ購入代等(支払額)を引いた値が旅行収支となり、受取>支払であればプラス(黒字)、受取<支払でマイナス(赤字)となります。ただ、旅行者に一人一人に旅行中にいくら消費したのかを調査するのは非現実ですので、以下のデータより全体の消費額が推計されています。

■訪日外国人旅行者一人当たりの消費額:観光庁による「訪日外国人消費動向調査」「宿泊旅行統計調査」を基礎データとして推計(詳細はコチラコチラ
■出国日本人旅行者一人当たりの消費額:(株)ツーリズム・マーケティング研究所による「海外旅行実態調査(JTB REPORT)」を基礎データとして推計(詳細はコチラ)。


旅行収支推移
※2016年10月、11月、12月、2017年01月は速報値
※2016年4月8日付で2013年2月~2015年9月の数値が一部改訂。当ブログも改訂済

グラフを見ると、毎年の季節変動はありますが、全体的に右肩上がりのグラフになっています。日本人による海外旅行者数が横ばいのなかで、訪日外国人旅行者数が増加しているためこのような収支改善のトレンドになっています。2014年には、日本人海外旅行者の支出と訪日外国人旅行者からの受取が均衡し、2015年になってからは黒字化(受取>支出)が定着。2016年も黒字を維持しており、今後2020年の東京オリンピックまでは同様の傾向が続きそうです。ちなみに、月別で最高の黒字額は1570億円で2016年07月に記録しています。


年別では以下のグラフになります(データは国際収支の推移の「6s-2-1 サービス収支【暦年】」を使用)。


年別旅行収支推移

※数値は暦年(1月~12月)。2016年は速報値
※2016年4月8日付で2013年2月~2015年9月の数値が一部改訂。当ブログも改訂済

年別で表示すると、2011年の東日本大震災での足踏みがありますが、2000年代中盤から現在にかけて収支が継続的に改善しているのがよく見て取れます。2013年は6545億円の赤字、2014年は惜しくも441億の赤字でしたが、2015年は遂に黒字化し額も1兆905億円となりました。2016年も1兆3991億円(速報値)と黒字を拡大しており、今後もLCC増便やクルーズ船の寄港、円安等を背景に東アジア・東南アジアからの訪日外国人旅行者の増加が見込まれています。


-----参考-----
参考として、2012年以降の月別訪日外国人数と、1964年からの年別の訪日外国人数・出国日本人数の推移を紹介します。データは、日本政府観光局(JNTO)HP内の統計資料のものを使用しています。


2012-2015 訪日外国人数推移
※2016年1~11月は暫定値。2016年12月、2017年01月は推定値

グラフから、ここ数年、特に2015年は訪日外国人数(訪日外国人の8割強が観光客)が急増していることがわかります。各メディアで報道されているように、アジア各国でビザの発給要件緩和、訪日に有利な為替相場(円安)、LCC・クルーズ船寄港の増加、免税店の増加等が大きな要因となっているようです。2016年になり為替相場が円高方向に振れましたが、訪日外国人数は堅調に推移し、2016年03月は前年同月比31.7%増の200万9549人となり、初めて月間200万人を突破しました。その後は(前年同月比での)伸び率が縮小していましたが、2016年07月は同19.7%の229万6451人(暫定値)となり、単月における過去最高値を記録しています。今後も、前年に比べると伸び率は低調に推移していくものと思われますが、「底堅い」数値にはなっていきそうです。


訪日外国人数&出国日本人数の推移
※数値は1万人以下を四捨五入。2016年は推定値

こちらのグラフは年別のグラフになっており、2010年頃までは”訪日外国人数の緩やかな増加・出国日本人数の横ばい”という傾向でしたが、2012年以降は、訪日外国人数が”急増”している様子がよく見て取れます。2015年は訪日外国人数が1974万人、出国日本人数が1621万人となりましたので、訪日外国人数が出国日本人数を45年ぶりに上回りました。今後は、2020年の東京オリンピックまでに目標としている4000万人まで訪日外国人数を増やしていけるかがポイントになりそうです。


最後に、2016年における年間訪日外国人数が100万人以上の国・地域である韓国・中国・台湾・香港・米国の推移をみてみます。

主要5カ国・地域 訪日外国人数推移
※2010年以前はJNTOのコチラの数値を利用。小数点第1位を四捨五入。2016年は推定値

こちらも2012年までは、リーマンショック・東日本大震災以外は概ね横ばいでしたが、その後は大きく伸びています。その中でも黒色の中国の伸びは突出しており、韓国・台湾がそれに続いています。香港・米国もグラフ上は地味ですが、伸びてきています。2016年で90万人強だったタイも来年には”100万人クラブ”に参加してくるでしょう。


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